「ペットのお骨を返骨してもらうにはどうすればいいの?」「骨壷を保管する時に気をつけたいことは?」大切なペットのご遺骨だからこそ、こういった疑問を抱える方は多いです。中には、ペットの火葬の歴史が浅い事もあって、実際の事実と異なる情報を信じてしまっている人もいます。
今回はペットのお骨に関する疑問を6つほど、解説していきます。
目次
ペットのご遺骨に関するよくある疑問
収骨や骨壷の保管も含め、『ご遺骨』に関わる事はそう多くないでしょう。だからこそ、いざ関わった時に少しでも冷静に対応できるように正しい知識を覚えておくべきです。それでは、ご遺骨に関する疑問について見ていきましょう。
お骨を残せる火葬方法はどれ?
ご遺骨を残したい、返骨して欲しい場合は個別火葬や個別一任火葬など『自分たちのペットだけの火葬』にする事がまず必須となります。というのも、合同火葬の場合は他のペットも一緒に火葬するため、どのお骨が誰のなのか一切わからなくなるためです。そのため、合同火葬は返骨に対応しておらず、そのまま合同のお墓に埋葬されるのが基本となります。
また、火葬方法以外にも目を向けなくてはいけません。例えば、コースを細かく区切っている火葬業者の場合、同じ個別火葬でも『返骨対応』と『返骨非対応』に別れている事があります。その場合、大抵は返骨しない方が安い場合がほとんどですので、値段だけでなくちゃんと内容も確認するようにしましょう。
他にも、市による行政火葬では返骨されない事の方が多いのにも注意が必要です。とはいえ、一部では返骨に対応している市もありますので、もし行政火葬を希望するのなら事前に市に連絡して確認してみましょう。
お骨の色は白い?
実はお骨の色は白ばかりではありません。そのペットの健康状態や体内の無機物が酸化したりなどの理由で色々な色が付着します。
例えば、体格の良い犬や太り気味の犬の場合、体脂肪の色素が付着してお骨が黄色くなる事が多いです。特に近年は質の良い食事を多く取ったり、室内飼いをするご家庭が増えてきましたので、骨が黄色くなるケースが増えてきました。
また、体内の鉄分やカルシウムといった無機物が空気に触れて酸化し、それが骨に付着する事もあります。この場合、赤色や青色などの色になる事が多いです。他にも、胆のうが結晶化した物が周りに散らばっていたりする事もあるのだとか。
避けた方が良い副葬品ってある?
副葬品には、なるべくペットとの縁が深い物を選びたいところですが、避けた方が良い副葬品も少なからずあります。真っ先に除外すべきは『プラスチック製』などの焼いた際に有害物質を排出するもの。
それ以外にも、蒸発しないため骨に付着してしまう『金属類』、煙が出やすい『衣服類』、ススが出るほどの『大量の紙』は避けた方が良いでしょう。ただし、紙に関しては手紙などの数枚程度であれば問題なしとしている業者も多いです。
骨壷に入れる時は何に気をつけるべき?
お骨というのは、想定しているよりも脆いもの。特に愛玩動物として人気の小動物や小型のペットのお骨はとても繊細で、少し力加減を間違えただけでも崩れてしまう事もあります。また、一口にお骨と言っても、色々な部位があるのも意識したほうが良いでしょう。
特に最も慎重に収骨すべきは頭蓋骨です。非常に複雑な構造をしている上に、大きく丈夫なお骨もあれば、小さく脆いお骨もあり、完璧に骨壷に納めるのは困難。どうしても自信が無い場合は、無理をせずにスタッフに変わってもらう事も検討しましょう。
骨壷の保管する時に意識した方が良い事はなに?
自宅供養などで骨壷を家で保管する人も多いかと思います。その際、『保管する環境』と『カビ防止対策』については意識した方が良いでしょう。順に解説します。
まず保管する環境ですが、大切なのは直射日光を避けて風通しの良いかつ昼夜で温度差が激しくない場所に置くことです。日光は劣化や変色の元となってしまいますし、湿度が高いと湿気が骨壷の隙間に入り込みカビの原因になります。温度差についても同様で、寒かったり暑かったりすると骨壷と外の気温差で結露が発生してしまうのを防ぐためです。
次にカビ防止対策についてですが、特に有効なのは骨壷の底の方に吸湿剤を設置すること。上述したように、湿度があるとカビができる為、湿気の除去はなによりも大切です。他にも、骨壷の蓋をマスキングテープなどで完全に密封するのもおすすめ。
ご遺骨にカビが生えたらどうすればいい?
どれだけカビ対策をしていても、長い時間保管していればどうしてもカビは発生するもの。ちょっとしたカビ程度なら天日干しで除去できる事もありますが、もし大きなカビを発見しても自分でなんとかしようとせずに必ず業者にお願いするようにしましょう。
なぜかというと、骨を削らずにカビを除去するには表面を焼いてカビを落とすしかないからです。とても個人でできる技術ではありませんし、最悪の場合は家事になってしまう事も考えられます。再度にはなりますが、『必ず』業者に依頼して確実に除去してもらうようにしてください。
ペットの生きた証を大切にしよう
ペットのご遺骨は、一つとして他のお骨と同じ物はありません。大きさや形、骨の色だって様々です。それは、個々のサイズやこれまで飼い主と共に過ごした環境によるものであり、『ペットがこれまで生きてきた証』とも言えるでしょう。
正しい知識さえあれば、そんな証を大切に保管する事も、ちゃんと供養する事もできます。今回の記事を参考に、ペットの生きた証を大切にしてくださいね。