訪問ペット火葬のメリットと注意点を分かりやすく解説

皆様はペット火葬といえばと聞かれたらどこと答えますか?おそらく、ほとんどの方はなんとなく霊園と答えるのではないでしょうか?実際、規模的にも歴史的にも霊園での火葬施設で火葬が最もメジャーだと思います。

しかし、ペットを火葬したい人たちの中には「自宅で火葬してあげたい」「長時間の車移動が苦痛」「家族全員が揃う時間に営業していない」と霊園での火葬を躊躇っている方もいます。時間に追われる社会人や足が不自由なお年寄り、思い出深い場所で火葬してあげたい優しい飼い主様、みんなで思い出深い場所で見送りたいですよね?

今回はそんな方々におすすめしたい【自宅で完結する訪問ペット火葬】についてお話していきます。

目次

1訪問ペット火葬の概要

弊社も営業している訪問ペット火葬は残念ながらまだまだ認知度が高いとは言えず、「そもそも訪問ペット火葬ってなに?」という人も多いです。この記事を見ている時点で名前だけは知っているかと思いますが、実際にその中身についてはなんとなくイメージできている程度ではないでしょうか。

まずは訪問ペット火葬について軽く解説していきます。すでに知っているという方も、復習としてご覧になってくださると後々の解説がより分かりやすくなりますよ。

1.1自宅で完結する新しい火葬方式

今までのペット火葬は形式や場所こそ違えど、車で施設まで移動してその場で火葬するというものでした。しかし、訪問ペット火葬はその逆で【スタッフが自宅まで訪問してその場で火葬する】という方式を取っています。当然、移動するのはスタッフのみなので、お客様に移動負担がかからないのが最大の特徴。

近年は若者を中心に車を持っていない世帯やご老人だけで余生を過ごされる世帯も多く、その中で自宅で完結できる訪問ペット火葬は需要が高く、歴史が浅いながらも急成長している業界です。火葬に使用する設備はすべてワゴン車などの大型車両に搭載されているため、お客様にご用意してもらうのは車が入れるスペースのみ、もしスペースがない場合でも近くの火葬できる場所まで移動できます。

しかしあまりに急成長した結果、訪問ペット火葬というワードは知っていても内容まで知らない方や怪しさを抱く方も多く、本来ぴったりなお客様もご利用を踏みとどまっているのが現状。今回の記事がよりお客様が訪問ペット火葬を理解するための一助になれば幸いです。

1.2火葬に使用する車は厳しい審査を通った専用車のみ

先述した通り、火葬は全て車の中で執り行うのですが…飼い主様の中には「いくら大型車両と言っても、その中で火葬できるの?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。実際、今までのペット火葬はペットといえども火葬する設備はどれも大きいものばかり、とてもそれが車に収まるとは思えません。

しかし、訪問ペット火葬で使用される設備は車専用のもので構成されており、その性能は施設のそれに勝るとも劣らないほど。車の大きさの都合上、ペットのサイズに関しては多少の制限はあるものの、火力面は十二分であり、ご遺骨もきれいな状態で収骨できます。

周囲への安全面も当然厳しくチェックされています。車検はもちろん、あらゆる検査を通過し、ダイオキシンや窒素酸化物の排出量、煙の排出量、臭いが漏れ出ないかなどを全て問題なしと判断された専用車のみがペット火葬に用いられます。

また、使用される車にはプレートやシールなど訪問ペット火葬だと分かるものは一切つけないため、周囲の目線を気にすることもありません。

1.3その他の火葬方法について

ペット火葬には訪問ペット火葬以外にも【霊園による火葬】と【行政による火葬】があります。霊園火葬はメジャーではありますが、行政でも火葬できることは知らなかったという人も多いのではないでしょうか。訪問ペット火葬との違いを知るためにも、両者についてざっくりと解説していきます。

霊園火葬では、霊園まで車でご遺体を運び施設で火葬します。火葬方法はご家族が立ち会える【個別立会火葬】、飼い主様のペットだけを火葬する【個別一任火葬】、他のお客様のペットと一緒に火葬する【合同火葬】から選べます。このうち、合同火葬のみ他のペットと一緒に火葬する関係上、ご遺骨が戻ってこないことは注意しましょう。

行政による火葬は担当区域の役所に申請して施設で火葬します。しかし、この方法はあまりおすすめできません。というのも、行政による火葬は基本的に合同火葬のみ対応しているため、ご遺骨も戻らず、また立ち会いも許可されません。なにより、言葉を包み隠さず言うのなら行政では【一般廃棄物】として火葬されます。要するにゴミとして処分するため、なるべく形を残さぬように焼却し、埋め立てを行うのです。

このことからペットをきちんと火葬したいのであれば、特別な理由がない限り訪問ペット火葬か霊園での火葬をおすすめします。

2訪問ペット火葬のメリット

訪問ペット火葬は今までの火葬とは違い【お客様のご自宅で火葬する】のが特徴です。当然、それによるメリットはどれも他のペット火葬ではなしえないものばかり。特に、【移動負担がない】【時間による制約が少ない】ことは多大なメリットと言えるでしょう。

ここでは訪問ペット火葬のメリットについてお話していきます。

2.1移動負担がかからない

再三お話したように、訪問ペット火葬は自宅で完結するのが最大の特徴です。従来のペット火葬では【予約→施設までご遺体を車に入れて移動→時間まで待つ→火葬→帰宅】という手順を踏んでいました。この方法ですと、霊園が近場にあるならともかく、それ以外ではやはり移動面での負担が大きいですよね。

近年の車を持っていない世帯向けに送迎に対応している霊園も増えてきてはいるものの、車酔いをするなど長時間の移動が負担になる人も多いでしょう。また、自家用車で移動できても、時間までに間に合わせようとすると現地で待たされることもあります。

訪問ペット火葬はスタッフ自らご自宅まで訪問し、そのまま火葬するためこういった移動負担がかかりませんし、スタッフが到着次第、火葬を執り行うため時間を気にすることもありません。車移動が無くなった分、ペットのために費やせる時間が増えます。

2.2ある程度なら火葬場所を変更できる

訪問ペット火葬をご利用したいお客様の中には「利用したいけど、うちに大型車両が入れるスペースなんかない…」という方もいるかと思います。車を持っていない世帯は駐車スペースなんて確保しなくても良いですから。

しかしご安心ください。専用車で火葬するということは、言い方を変えれば【車が入れるスペースが有れば火葬できる】ということ。つまり、必ずしもご自宅で火葬する必要はありません。お近くの開けたスペースまで移動して、そこで火葬することもできます。

もちろん、近隣住民のご迷惑にならない、法律的に問題ない場所というのが前提条件ではありますが、駐車スペースが確保できない方はもちろん、いつもの散歩道などペットにとって思い出深い場所で火葬することも可能です。もし別の場所で火葬したい場合は、

可能かどうかの相談も含めて、ご予約時に一緒に問い合わせてみましょう。

2.324時間対応や土日祝日営業が多い

霊園や行政はほとんどの場合、午後6時前後には営業を終えてしまいます。また、行政であれば土日祝日とイベント時には受付できません。霊園の場合も休日がある所は多いでしょう。そのため、受付できる時間が確保できない方や家族みんなで立ち会いたい場合に必ずしも営業しているとは限りません。

特に社会人や部活をしている学生がいるご家庭は家族全員で立ち会いができるようなまとまった時間を確保できるのは大体夜中になってしまいまいますし、その時間帯では霊園も営業を終わらせてしまっていることが多いです。だからといって、ご家族みんなで見送りができないのは悲しいですよね。

訪問ペット火葬は施設に左右されないため、24時間対応や土日祝営業をしている業者も多く、時間による制約はほとんどありません。深夜は料金が割増にはなってしまいますが、それを差し引いてもご家族全員で火葬に立ち会える点は魅力的です。

3訪問ペット火葬の注意点

訪問ペット火葬のメリットは確かに性質上、どれも他にはないユニークなものばかりです。しかし、それによって生まれる注意点もまた出てきます。自分で調べれば回避できる問題ではありますが、やはりある程度は知識として持っておくに越したことはないでしょう。

ここでは訪問ペット火葬を利用する上での注意点についてお話していきます。

3.1埋葬は自分で行う場合がある

訪問ペット火葬のプラン内容によっては埋葬をお客様自身で行ってもらう必要があります。とは言っても、最近は専門の解説サイトも多いですし、実はそこまで難しいこともありません。基本的な方法としては【散骨】か【近くの納骨堂に依頼する】かの2択になるでしょう。ただし、散骨する場合は周囲への配慮を忘れないことが大切です。

例えば、いつも散歩する場所に散骨したい場合は周囲の人に見られないようにします。事情を知っていたとしても、粉骨を埋めているところを見て良い思いをする人はいないでしょう。また掘り起こされる可能性がある場所は避ける必要があります。子供や作業員が掘り起こしてしまった時、その人たちはその骨粉が人間なのか動物なのか分からないでしょうし、最悪の場合警察が出動する可能性も出てきます。

また散骨する場合は個人や市が所有していない場所でなくてはいけません。上記の理由もありますし、基本的にはご自宅の庭が一番おすすめです。

3.2悪徳業者の可能性

訪問ペット火葬は歴史が浅く、厳格なルールや規制がまだできていません。また、訪問ペット火葬を開業するために必要な資格等がこれといって存在しないため、極端な話火葬車があれば誰でも開業できてしまいます。そのため、昨今の需要の高さも相まって、悪徳業者と呼ばれる会社も僅かながら存在するのが実情です。

このような悪徳業者を避けるためにも、訪問ペット火葬をご利用の際には、公式HPの有無やSNSでの評判をチェックしておきましょう。また料金詐欺の被害にあわないよう、料金の相談は必ず相談する時点で聞いておくことが大切です。

4訪問ペット火葬で思い出の場所で見送ろう

訪問ペット火葬をおすすめする上で一番言いたいことは【ペットが一番安心できる場所で火葬できる】ということ。ペットも知らない場所から天国へ行くのは心細いと思いますし、飼い主様もできれば思い出の場所で見送りたいはず。

これは他のペット火葬ではできない、訪問ペット火葬でしか果たせないことだと自負しております。だからこそ、より多くの人に我々がどのような仕事をして、どんな人におすすめなのかをもっと知ってほしい。今回の記事がなにか飼い主様たちのお力になれることを祈って、今回の記事を終わりたいと思います。

天国への扉コラム