ペット保険は今だからこそ必要?加入するメリットと注意点

近年、飼い主の意識の変化によりペットの健康維持はより重要度を増してきました。何かあった時、すぐに近場に動物病院がある環境はとても安心できますが、医療費までは安心できるものではないですよね。たとえ一回1000円にも満たないとしても、回数を重ねれば大きな負担になります。それにもし重度の病気やケガに見舞われた時、すぐに医療費を払えるのかという不安も……。

今回は優しい飼い主や高齢のペットが増えてきた今だからこそ考えておきたい、ペット保険に加入するメリットや注意点について解説していきます。

目次

1なぜ今ペット保険が必要なのか

ペット保険そのものは以前から少しだけありましたが、近年になって急激に需要が増してきました。そこにはペットの高齢化やそれに伴う医療費の高騰問題が深く関わっているのです。私たち人間もそうであるように、いつ何があるか分からないからこそ、ペット保険は頼もしい味方となるのです。

ここではなぜ今になってペット保険が必要になってきたのかについて解説します。

1,1ペットの平均寿命が年々伸びている

長年生きてきた人たちの中には、昔よりも生き生きとした犬や猫が増えてきたと感じる人も多いのではないでしょうか。実はそれ、気のせいではありません。実際にペットの平均寿命は年々少しずつ伸びているのです。

分かりやすいものでいえば、ペットとして大人気の犬と猫は数十年前まで10歳を超えれば長生きとされていましたが、今となっては20歳を超えることも珍しくありません。平均寿命でいえば14歳前後ではありますが、育て方や環境、病気の有無によってはそれほど長く生きられるようになってきたという解釈で間違いないでしょう。

美味しさと栄養のバランスに優れた専用フードの開発や、動物病院の数が増えたことなどももちろん、そういったものを積極的に利用してくれる優しい飼い主が増えたことも理由の一つでしょう。ペットはもはや見張り番ではなく、もう一つの家族として迎え入れられているのです。

1,2高齢ペット増加による問題点

ペットの高寿命化は嬉しいニュースではありますが、高齢ペットが増えたという見方では決して手放しで喜べる知らせではありません。高齢化に伴い、病気やケガをすることも増えているためです。高齢期にはガンや糖尿病、認知症などの重大な病気になりやすい他、肉体の衰えから骨折や脱臼のリスクも高まっています。

若い時の小さなケガであれば経過観察で済む場合も多いですが、高齢にもなると軽傷から大けがに発展することも珍しくないため、何かあればすぐに動物病院に診察しにいく必要があります。そうなれば医療費もバカにならない金額になるでしょう。

健康なペットの場合、1ヵ月でおよそ8,000円〜10,000円ほどの医療費がかかると言われており、年間では100,000円を超えることも……。仮に15歳まで長生きできたら、その金額は750,000〜1,500,000円まで上がるでしょう。いくらペットのためとはいえ、お金の問題は愛情だけでは解決できません。

1.3ペット保険は早いうちから検討しよう

保険に加入していない場合、【もしも】の時に頼りになるものはありません。もし大きな病気やケガに見舞われた時、高額な医療費を請求されたら……そうなる前にペット保険を検討した方がよいでしょう。幸い、ペット保険は早い段階からの加入を推奨されており、月々の値段もそう高くはありません。

前項ではあくまで高齢期を対象に解説していましたが、病気やケガになること自体に年齢は関係ありません。幼い時や若い時、つい先日まで健康体であったとしても今日も健康である保証はどこにもないのです。ペット保険について少しでも興味があるのなら、早い段階での加入を検討しましょう。

2ペット保険に加入するメリット

ペット保険は大まかなものは人間の保険と同じであり、そのメリットもよく似ています。違いがあるとすれば、人間の保険は自分の意思では加入できますが、ペットは飼い主の判断で加入するしかありません。ペット保険のメリットを十分に理解し、ぜひ検討してみてください。

ここではペット保険に加入するメリットについて解説します。

2.1高額な医療費を負担してくれる

保険の最大のメリットはやはり、いざという時の高額な医療費を負担してくれることにあります。ペット保険では基本的に医療費の50%や70%分を補償する割合プランや、入院または通院1日ごとに細かく補償してくれる定額プランがあります。このうち割合プランは重い病気やケガになった時に役立ってくれます。

例えば犬の白内障手術の場合、その医療費はおよそ30万円程度と言われています。普通では中々支払えない金額ですが、これがもし70%の割合プランに加入していた場合はなんと9万円程度で済ませることができるのです。仮に50%だったとしても15万円の差は大きいでしょう。

また定額プランはそこまで大きな金額を補償してくれるものではありませんが、その代わり適用範囲が広く、100%補償のプランもあるため、軽いケガや風邪になった時などにお世話になることが多いです。

2.2様々な付帯サービスや特約

前項でも触れたように、近年になってペット保険は急激に需要が増えてきており、そのためか付帯サービスが以前よりも便利なものが多くなっている印象です。特におすすめなのが【ペット相談サービス】といったようなもので、ほとんどの場合は24時間対応してくれます。近くにある緊急対応してくれる動物病院を教えてくれたり、ペットの異常の相談に乗ってくれるなど、非常時にとても頼りになりますよ。

次に特約について。これは一言でいえばオプションのようなもので、主に損害賠償関係の特約が多いです。ペットが他の人や物に噛みついたり、ケガをさせてしまったときに発生する損害賠償を一部負担してくれるサービスで、こちらも非常時に助かります。ただし、こういった特約は火災保険など他の保険にも付いていることがあるため、事前に自分が加入している保険や特約について把握しておきましょう。

2.3いざという時に備える安心感

ペット保険に加入することそのものが普段の安心感となることも立派なメリットの一つです。ペットに掛かる毎回の医療費は、たとえ小さな金額だったとしても回数を重ねれば結構な負担となりますし、重症であれば一度で数十万円掛かることだってあります。ペット保険はいわば【転ばぬ先の杖】であり、いざという時に頼れるものがあるだけで安心できるものなのです。

現在はそこそこ認知度も上がってきてはいるものの、未だペット保険のことをよく知らない人も大勢います。「そんな便利なものがあるだなんて知らなかった」と後悔しないためにも、未来の安全投資だと思って加入してみませんか?

3ペット保険に加入する際の注意点

ペット保険は確かに良いものですが、正しく理解していないと「お金が振り込まれていない!」などトラブルになりかねないものでもあります。お金を掛け、そしてお金が降りてくるのが保険というもの、しっかりと注意点を把握しておきましょう。

ここではペット保険に加入するなら気を付けておきたい点について解説します。

3.1ペット保険は掛け捨てがメイン

基本的に保険には月々の料金が安い代わりに払ったお金が戻ってこない【掛け捨てタイプ】と、反対に月々の料金が高い代わりに払ったお金の一部が戻ってくることもある【貯蓄タイプ】に2種類があります。このうち、ペット保険の多くは掛け捨てタイプを採用していることが多いです。

ペット保険はしばしば「お金を捨てているだけだ」と批判されることがありますが、それはこの掛け捨てタイプが多いからというのが大きな理由です。しかし、それは大きな誤りです。そもそも掛け捨てタイプはペット保険以外にも定期保険等にも採用されているもので、先述した通り月々の料金が安いため若い世代や年配の方々に適しているとされています。

確かに生まれてから寿命を迎えるまで健康でいれば損失にはなりますが、現実的に考えてあり得ないですよね?保険そのものに対する考え方にはなりますが、結果的に加入していて助かったとなるケースは予想以上に多いものです。そうでなくては、そもそも保険業界はここまでメジャーにはなっていません。

料金も安いので、月額サービスのようなものだと捉えて気楽に加入してみるのもアリなのではないでしょうか。

3.2加入してもすぐにはお金はもらえない

ペット保険には、加入して30日以内は、たとえ病気やケガになっても補償がおりない【免責期間】というものが設けられています。これは加入する以前から病気(潜伏期間も同様)になっていて、不正に保険金を入手されないようにするためです。

また免責期間外であってもお金が貰えないケースがあり、それを理解していないとトラブルの原因になります。下記に免責期間以外の理由でお金が貰えない理由として、よく該当する理由をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

・保険対象外の病気やケガだった

・年間の補償金限度額に達していた

・最低支払額に届いていなかった

・申請していなかった

・お金がまだ振り込まれるタイミングではなかった※1

※1 保険金はすぐに補償されるものではなく、申請後20日程度かかります。

3.3保険適用内と適用外の違い

当たり前のことですが、すべての病気やケガに対して保険金が降りるわけではありません。特に狂犬病やパラインフルエンザ感染症、コロナウイルス感染症などワクチン接種によって防げる病気や、去勢・避妊手術、正常な妊娠及び出産に関わる手術に関しては対象外になることが多いです。

それ以外でも対象外になることがあるため、加入する際は必ず公式ホームページや契約書の内容に目を通しておきましょう。また、普通は対象外だけど特約で別途保険が掛けられるというケースもあります。

4ペット保険への加入をぜひご検討ください

ペットに限らず、保険というのはお金の無駄遣いと言われたり、そもそもマイナスなイメージを持たれやすいサービスです。飼い主としては、何かあった時のお金よりも、そもそも何もないようにするためにお金を使いたいのでしょう。

しかし、実際にはずっと健康であれる保証はどこにもありませんし、おそらくどんなペットでも一回はそれなりに大きなケガや病気になってしまうと思います。むろん、そうならないように対策をしていくことは大切ですが、そればかりに注力してはいけません。「こんなことなら加入しておけば良かった……」とならないように、早い段階でのペット保険への加入をぜひご検討ください。

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