犬や猫の抜け毛を掃除する方法と換毛期について

犬や猫といえばもふもふした毛並み。あの暖かそうな見た目に心打たれた人は多いでしょう。しかし、だからこそ困ってしまうのが抜け毛、特に換毛期の抜け毛は掃除するのも一苦労です。それでも、しっかり抜け毛処理をしないと毛球症やハウスダストなどの様々な問題へと発展してしまいます。

今回はそんな犬や猫の抜け毛についてお話ししていきます。

目次

犬や猫の毛と換毛期

ペットの抜け毛処理と言えば、真っ先に思い浮かぶのが換毛期。もちろん換毛期以外でも抜け毛は出てきますが、換毛期のソレは比べ物になりません。

まずはこの換毛期について見ていきましょう。

抜け毛が出やすい換毛期

抜け毛といえば大量に抜ける換毛期と呼ばれる時期。基本的には『春先』と『秋頃』の2回訪れ、暑くなる前にアンダーコードを通気性の優れた夏毛にしたり、反対に寒くなる前に保湿性の高い冬毛に生え替わります。

ただし、気温差があまりない室内や日照時間の少ない生活をしていると換毛期のズレが生じてしまう事があります。室内環境次第ではありますが体温調節が難しくなるので、犬であれば毎日散歩させたり、猫でも外の空気を吸わせてあげたりして換毛期のサイクルが狂わないようにしましょう。

抜け毛が出にくい品種

これから犬や猫を飼おうとしている人の中には、なるべく抜け毛が少ない子を飼いたいという人もいるでしょう。結論から先に言うと、『毛が短くシングルコートの子』がおすすめです。

シングルコートというのは被毛の生え方の一つ。犬や猫には皮膚を保護するための『オーバーコート』と、体温調節をするための『アンダーコート』という被毛があります。このうち、オーバーコートのみしかない子をシングルコート、オーバーコートとアンダーコートの両方を持っている子をダブルコートと呼びます。

換毛期に抜けるのは体温調節用のアンダーコートのみなので、シングルコートの子はそもそも換毛期と呼べるような時期がありません。それでも抜け毛自体はあるのですが、ダブルコートの子と比べてずっと少ないです。

毛球症について

換毛期になると不安になるのが、毛球を吐く回数が増えること。特に猫はグルーミングという毛を舐める行動をするため、必然的に抜け毛を飲み込んでしまいがちになります。

「毛を吐くのって大丈夫なの?」と思う方も多いと思います。ハッキリ言って『あまり良い状態ではない』です。毛を吐くということは、道中通る事になる食道や胃を傷つけてしまうことになります。本来は便と一緒に排出されるのが理想です。

更に毛を吐き出せないほど胃の中で大きな毛球が形成されているともっと危険です。毛球症と呼ばれる状態なのですが、腸閉塞などを引き起こす原因になります。最悪の場合は命に関わるため、毛を吐く回数が多いと感じたら動物病院で診療を受けさせましょう。

犬や猫の抜け毛をきれいにする方法

ペットの抜け毛をキレイに取り除くためには『ブラッシング』と『シャンプー』が欠かせません。ここではこの2つについて具体的にお話ししつつ、サマーカットについても少し触れていこうと思います。

毎日のブラッシング

普段から毎日ブラッシングしてあげるのが一番ですが、特に換毛期は毎日しっかりとブラッシングしてあげることが大切です。それくらい抜け毛が大量に抜けます。

地面に抜け毛が少ないからといって安心できません。抜け毛の多くは地面に落ちず、被毛に引っかかっているのです。ブラッシングをしないとこの抜け毛を飲んでしまうため、ちゃんと毎日整えてあげましょう。

ブラッシングに使うブラシは、一般的に多く使われているスリッカーブラシ以外にも、手足の内側やお腹周りまでブラッシングできるグローブ型のブラシも用意しておくと便利です。皮膚を傷つけないようにしつつ、しっかり抜け毛を取り除くことを意識しましょう。

丁寧なシャンプー

ブラッシングだけでは全ての抜け毛を取り除く事は難しいため、ちゃんとシャンプーで皮膚の汚れと一緒に抜け毛を洗い流してあげるのも大切です。ただし、あまり過度にシャンプーしてしまうと、皮膚を守る皮脂まで落としてしまうため、月に2〜3回程度にしておきましょう。

シャンプーする時のコツは、トップコートの毛をかき分けてアンダーコートや皮膚をしっかり濡らしてマッサージするように洗うことです。シャンプー剤は低刺激で無香料の物がおすすめ。

サマーカットについて

サマーカットは普段のカットよりも更に毛を短くする方法で、名前の通り夏にペットサロンでお願いするものです。抜け毛対策はもちろんですが、毛が短いためブラッシングも簡単にできます。ただ、本来よりも短毛にするため、2つほど注意点があります。

一つはノミやダニに襲われやすくなるということ。もう一つは紫外線や日光に当てられてしまいやすくなること。もともと犬や猫などの被毛に覆われている動物は皮膚が繊細な子が多く、サマーカットはそんな皮膚を守る毛をたくさんカットするため、こういった注意点が出てきます。

犬や猫の抜け毛を掃除するなら

ペットに引っかかっている抜け毛を取り除くのも大切ですが、床に落ちてしまった毛を掃除するのも大切です。ここでは床に落ちた抜け毛の掃除方法について見ていきましょう。

抜け毛を放置するとどうなる?

床に落ちた抜け毛は放置していると、周りのホコリや毛、ダニの死骸や糞をかき集めながら毛球になっていきます。そのままにしているとハウスダストの原因になり、ハウスダストは気管支喘息や鼻炎を引き起こすため非常に危険です。

また、抜け毛やそれに付着しているフケはゴキブリやダニなどの虫のご飯になり、繁殖の原因になりえます。

場所にあった掃除方法

ペットの抜け毛を掃除するなら、掃除する場所に適した掃除をするのが効果的です。

例えば布製の家具は掃除機だけでは、絡まった毛を取り除けないため、粘着ローラー(コロコ)で掃除するのが効果的です。他にもフローリングを掃除する時は、モップやふきんで掃除した方がホコリや抜け毛が空中に舞い上がるのを防げます。

注意したいのが掃除機で掃除する時。ペットの抜け毛は人の髪の毛よりも薄く長いため、掃除機のブラシ部分に絡まりやすいです。掃除機の吸引力に影響するため、最初にある程度掃除してからかけた方がいいでしょう。

抜け毛はこまめに掃除しましょう

換毛期の毛は想像以上に抜けてきます。抜け毛は毛球症を起こしやすくなったり、床に落ちた毛はハウスダストの原因になります。毎日しっかりブラッシングしたり、こまめに床を掃除して衛生的な生活を維持しましょう。

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