猫を飼っている人なら誰しも経験のある猫の粗相。ちゃんとトイレがあるのに、その辺におしっこされていると「なぜ?」と思わずびっくりしてしまいますよね。トイレが汚い、病気の可能性……理由を疑えば疑うほど、どうしたらいいのか混乱する人も多いでしょう。
今回はそんな粗相をしてしまう原因や対策、粗相の掃除方法についてお話していきます。
目次
猫が粗相をしてしまう原因
もともとトイレでおしっこしていた猫が、急に粗相をしたのなら原因があるはず。まずは猫が粗相をする理由を探ってみましょう。
トイレの状態が悪い
猫はキレイ好きという話を耳にした事のある人は多いでしょう。トイレの環境が悪かったり、砂の状態が汚い、他の猫が使った形跡が残っているなどの場合、そのトイレを使うのを嫌がります。その結果、トイレ以外の場所で粗相をしてしまう事があります。
トイレを避けたり、トイレに入ってすぐに立ち去るなどの行動が見られるのならトイレの状態を確認しましょう。トイレだけでなく、周囲が汚れていたり人の通り道に設置されているなどが原因の時もあります。
また、猫は気分屋な一面も持っています。トイレがキレイであるにも関わらず、猫がトイレを避ける場合は今の猫砂に飽きているのかもしれません。新しい猫砂を試したり、別のトイレを作るなどして、今の猫の趣向を確かめてみましょう。
ストレスや病気
トイレの環境ではない場合、原因は猫自身にあるかもしれません。腎臓病を始めとして、膀胱炎や尿路結石などの泌尿器の病気には、初期症状として多尿が見られます。おしっこのサイクルが早いため、トイレまで我慢できずに粗相をしてしまうのです。また、『おしっこの量が少ないのに回数は多い』という場合も何らかの病気を患っている可能性があります。
また、猫自身の問題としてはもう一つ、ストレスを抱え込んでいる時も、飼い主への抗議として粗相をする事があります。引っ越しや来客が多いなどの心当たりがある場合は、ストレスのため過ぎかもしれませんね。
発情期のスプレー行動
去勢手術をしていない猫は、発情期に入ると自分の存在を異性の猫にアピールするためにマーキング行動を取ります。この時の尿は臭いが濃く、壁や柱などの高く垂直な場所にするのが特徴です。
発情期の猫はマーキング以外にも、聞いた事のないような声で鳴いたり、攻撃的な性格になります。本来は年2回、春と秋に訪れるのですが、都会などの日照時間が長い場所では周期がズレる事があるため注意が必要です
。また、オス猫は近くのメス猫が発情しているとつられて発情するため、オス猫の方は年中発情してしまう可能性があります。
猫が粗相する時の対処法
猫の粗相は、ただ叱って改善するものではありません。しっかりとした対処をして、猫にトイレでおしっこしてもらえるようにしましょう。
理想のトイレを作る
病気や発情期の可能性もありますが、いずれにせよトイレは常に猫の理想の状態を保つのが大切です。猫の排泄物を残さないようにするのはもちろん、トイレの周辺も掃除しておきましょう。また、可能であれば月に1回は重曹や中性洗剤で大掃除してあげると清潔な環境を維持できます。
もしトイレが既に清潔な場合は猫砂を変えてみましょう。猫砂は一見するとみんな同じように見えますが、実際は砂の細かさや水の吸収率が異なります。飽きやすい性格の猫を飼っているなら、複数箇所に別々の猫砂を入れたトイレを設置するのもおすすめです。
また、トイレの設置場所は『風通しが良い』『うるさくない』『食事場所から離れている』『寒くない』が満たされている事がポイント。
動物病院で相談・診察
普段はトイレでおしっこしてくれるのに、突然粗相を繰り返すようになったのなら病気を患っている可能性があります。
粗相が多い、尿の色や臭いが濃い、おしっこする時に痛そうにしている等、明らかに様子がおかしい場合は動物病院で診てもらった方がいいでしょう。もし病気でなくとも、生活習慣が分かれば何かアドバイスを貰えるかもしれません。
また、猫が動物病院に行くのを嫌がるなら、直前の尿を清潔な容器に採取して持っていく方法もあります。
去勢手術を検討する
もし猫を繁殖させる気がないのであれば、去勢手術をおすすめします。去勢は望まない繁殖を防げる他、病気や感染症の予防やマーキングの抑制にも繋がります。また、発情期に入ったのにも関わらず交尾が出来ない事は、猫にとって大きなストレスです。
去勢手術にはマイナスイメージを持たれる方も多いですが、繁殖防止や猫のストレス要因の一つを無くせるなど多くのメリットがあります。繁殖させないのであれば、ぜひ早めの去勢手術を検討してください。
猫が粗相をした時の掃除方法
猫が粗相をした場所は、どうしても臭いますし不潔です。猫がトイレを間違わないためにも、ちゃんとした掃除方法を覚えましょう。
猫の尿は軽く掃除するだけではNG
猫が粗相をした時、軽く拭くだけで終わらせてはいけません。尿の臭いが少しでも残っていると、猫が「ここが自分のトイレ」と勘違いしてしまい、同じ場所で粗相をしてしまう可能性があります。これを利用して『トイレに猫の尿を染み込ませたマットを配置する』という方法があるくらいです。
猫が粗相をした時は、どんなに少量であっても丁寧に掃除する事を心がけましょう。
水分をきちんと拭き取る
布団やじゅうたんなど水分を吸収してしまうような家具に粗相をされた場合は、まず初めに可能な限り水分を拭き取りましょう。拭く際は捨てる予定の雑巾や布を使って、軽くトントンと叩くようにして行います。
表面の水分を拭き取るだけでも効果的ですが、可能なら裏面からも同じような方法で掃除しましょう。
掃除は熱湯かクエン酸
猫の尿の臭いは、ほとんどが熱湯で気化する事ができます。布製など尿を吸収してしまう家具には、この熱湯を使った方法がおすすめです。
やり方は簡単。コップに熱めのお湯を入れて、少量ずつかけて水分を拭き取る……これを繰り返すだけです。何度もやり過ぎたり、お湯の量が多いと、カサカサした肌触りになってしまう事があるため、そこだけは注意しましょう。
その他の方法としてはクエン酸を使うのも効果的です。やり方も先述したお湯かけの後に、クエン酸をスプレーで散布、拭き取るだけで終わります。
水分をしっかり拭き取ったら、あとは風通しの良い日陰で乾かすだけ。太陽に当ててしまうと、尿の成分が酸化してしまったり、家具の品質が劣化する事があります。
猫が粗相をする理由を探ってみよう
猫が新しい家に慣れていない、老猫になってトイレの場所を忘れてしまったというような理由でもない限り、ある日突然粗相をしてしまうのには必ず原因があります。トイレの状態が悪いだけなら掃除するだけで解決できますが、病気やストレス、発情などは飼い主だけではどうしようもない事もあるでしょう。
しっかりと粗相する理由を見つけ出し、必要に応じて動物病院やペットショップに相談して、ちゃんとトイレでおしっこしてもらえるようにしていきましょう。